キューバには、2種類のお金があることをご存知ですか?
海外旅行をするときに気になるのが現地の物価。しかし、キューバではどっちのお金で支払うかによって、物価も変わります。
つまり、高い旅行にすることも、過ごし方によっては安い旅行にすることもできるんです。
私は2010年~2019年にかけて、計5回、合わせて約9か月間キューバに滞在しました。
そこで身につけた、少ない予算でキューバを楽しむためのヒントを、紹介します。
キューバで撮影した写真もたくさん載せますので、とくに行く予定がない人も、ぜひ行った気になってください!
※内容はすべて2019年1月現在のものです。キューバでは、急に社会システムや物価が変わる可能性があります。
キューバのお金について簡単に解説
キューバのお金は、外国人用と言われるCUCと、地元の人用のMNの2種類があります。
観光客は、どちらも使うことができますが、以下のような違いがあります。
CUC:セウセ、クックなどと呼ばれる。外国人が利用するホテルやタクシー、飲食店、ディスコなどはCUCで支払う。小ぎれいな店、品質の良い物が置いてある店はCUC払いだと思って良い。
MN:モネダ・ナショナル、ペソ・クバーノなどと呼ばれる。地元の人が使うバス、乗り合いタクシー、路面のハンバーガー屋やピザ屋はMN表記となっている。
それぞれのレートは、
1CUC=1米ドル
1CUC=24MN
はい、もうややこしい。
でも、これをわかってないとボッタくられたり、そもそも買い物が困難になるので、ちょっとがんばって覚えてください。
CUCのお札はこんな感じです。中央に小さくpesos convertibles(兌換ペソ)と書かれています。
一方、MNはこんな感じ。
私は、念のためCUCとMNの財布を分けています。お札はもう間違えないんですが、コインが混ざると面倒なので……。
では、キューバに初めて行った人がやってしまいがちな、お金の注意点をまずはお伝えします。
注意点1.MNの両替しすぎに注意!
キューバでは、空港でもハバナの街でも、日本円から直接両替ができて便利です。
ただし、両替するとまずはCUCでお金をくれるので、その中から一部を「MNに替えてくれ」と言わなくてはいけません。
その際、とりあえず「千円ぶんぐらい替えとこう」と10CUCも替えてしまうと、おそらく使い切れません。
1CUC=24MNなので、10CUC=240MN。
これ、キューバの平均月収の半分または3分の1です。
そもそも、お土産屋や観光施設ではCUC払いがふつうなので、短期旅行でMNを使う機会はほとんどないかもしれません。
私は、「MNを替えすぎちゃったからあげる」と言われたことが何度かあります……。ありがたいけど、もったいないですよ~~。
また、MNの店でも、24MN=1CUC換算でCUCでの支払いができるので、MNに両替する必要がそもそもないかもしれません。
注意点2.それってCUC?MN? 単位は必ず確認を!
さきほど、MNはモネダ・ナショナル、もしくはペソ・クバーノと呼ぶと書きました。
しかし、外国人に値段を言うときに、CUCのことを単に「ペソ」という人もいます。
すると、こんなことが起こります。
タクシーの運ちゃんに行き先を告げ、値段を聞いた
↓
「20ペソ」と言われたので、20MNだと思い(日本円だと100円程度)、乗った
↓
しかし実際は20CUCを請求された。
20CUCは、キューバでは大金。明らかなボッタクリです。しかし、言葉がわからないと、交渉がめんどくさくて払ってしまうかもしれません。
こういう事態を防ぐためにも、CUCかMNかはっきりわからないときは、「モネダ・ナショナル?セウセ?」と聞いて確認しましょう。
お店の場合は、外観からなんとなく判断して、慣れるしかありません。
・CUC払いのレストラン例
・MN払いのレストラン例
全体的に、小ぎれいな場所はCUC払いです。
また、ディスコや劇場のように、外国人とキューバ人で値段設定を分けている施設もあります。その場合、外国人はCUC払いとなります。
注意点3.MN払いの店は観光地ではない
ハバナではもう少ないかもしれませんが、地元の人の中には、「キューバ人よりお金を持っているはずの外国人が、わざわざMNの店で買う」ことをよく思わない人もいます。
MN払いの店の中には、ちょっと薄暗くてミステリアスな雰囲気があったり、いかにも社会主義っぽい、商品がすべてショーケースに陳列されて触れない店があったりしますが、買いもしないのに入っていって、写真を撮るなどの行為は控えたいところです。
キューバがいまだ経済的に貧しいのも、社会主義の国なのも、冷戦時代の世界情勢にほんろうされた歴史があってのこと。
キューバにとって、外国人観光客は貴重な資金源ですが、地元の人の生活を荒らしていいことにはなりません。
MNの店を利用する際は、最大限「空気を読んで」、現地のルールに従ってくださいね。
キューバを安く旅する方法
キューバの2種類のお金について、少し慣れてきたでしょうか。
ここからは、キューバでできるだけ安く旅する方法を紹介します!
1.空港~市内へのタクシーは一律25CUC
キューバの空港を出ると、すぐに「タクシー?」と声をかけられます。
空港からハバナ市内へのタクシー代は一律25CUCと決まっているため、それより多く言われても、低く言われても、違法です。(2018年3月現在)
キューバではメキシコのようなタクシー強盗の話は聞きませんが、それでも安く言ってくる運ちゃんには「何か裏があるのでは」と警戒したほうがいいです。
空港から、格安バスもあるけれど・・・
空港からめちゃくちゃ安く市内に行く手段として、地元のバス(グァグァ)に乗る方法があります。
しかし、私は以下の理由で使ったことがありません。
- 時刻表がなく、いつ来るかわからない(来ないときは全然来ない)
- 通常、めちゃくちゃ混んでいて、大きい荷物での身動きが困難
- アナウンスも路線図もないため、降りる場所がわかってないと乗れない
- 支払いはMNのコイン。空港の両替ではまず手に入らない
キューバに着いた初日に、迷子になったり、万が一荷物を盗まれたりしたらテンションが下がるので、安全のためにも私は25CUC払ってタクシーを利用しています。
ちなみに、空港の両替所でも日本円からの両替が可能です。
2.ホテルではなく、カサ・パティクラルに泊まる
キューバには、ホテルの他に、キューバのおうちの一室に泊まれるカサ・パティクラルと呼ばれる民宿があります。
値段は様々ですが、1泊20~50CUCほど。朝・晩食事付きのところもあります。
目印は、家の前に掲げられている、青いイカリのマーク。
ハバナの中心地には、このマークが至るところにあるため、着いてから直接訪ねて決めることも可能。ただし、ピーク時は満室の可能性があるので、心配なら最初の1泊は日本からホテルやカサを予約していくのもアリだと思います。
違法のカサに注意!
キューバに滞在していると、口コミで相場よりかなり安いカサを紹介されることがあります。そこで気をつけたいのが、政府に届けを出していない無許可のカサではないかということ。
キューバでは、外国人相手の商売は政府にたくさん税金を払わなければいけないため、無許可の宿泊施設も多く存在します。
無許可のカサに泊まるリスクについて、ご説明します。
- 無許可だとバレると政府に多額のお金を払う必要があるが、キューバ人には払えないので宿泊客が肩代わりさせられる
- 上記があるので、万が一盗難や事故があっても、警察に届けにくい(または宿の人がもみ消そうとする)
- 観光ビザを延長するのに必要な領収書がもらえない
- もともと違法なことをする家主なので、信用しきれない
私は初めてキューバに行った際、安くもない普通の値段のカサを日本の旅行会社に「合法のところです」と紹介されましたが、実際には無許可だったことがありました。
合法のカサを見分ける方法は以下です。
- 家の外側の目立つ場所に青いイカリのマークがある
- 宿泊の際、パスポートナンバーなどを台帳に控えている
- ダイレクトに「ここは合法?」と聞くと「違う」と教えてくれたりもする
ちなみに、赤いイカリのマークのカサもあります。こちらは、キューバ人も宿泊できるほか、短時間利用もできるため、日本のラブホのような使い方ができるみたいですよ(はぁと)
泊まったことがないので、システムはよくわかりません。
3.MNのごはんはめっちゃ安い
胃袋は丈夫なほうですか?
それなら、食事はMNの店で済ませれば、かなり安くなります。
私は、朝・晩食事つきのカサにいつも泊まるので、お昼ごはんだけMNの店で買っていました。
例えば、ハバナ大学近くの、インファンタ通りにある食堂のお弁当はこんな感じ。
店内で注文して、「パラ ジェバール(Para llevar)」(持ち帰りで)と言って待つだけです。袋はないので、気になる場合は持参しましょう。(素手だとたまに熱い)
路面店のピザやハンバーガーも、安くておいしいです。大抵値段が明記されていますし、MN払いであることがほとんど。なかには、親切にCUCとMNの両方で値段を書いているところもあります。
1CUC=24MNなので、30MNのお弁当が買いたかったら、MNを持っていなくても、2CUC渡せば18MNのお釣りをくれるはずです。(ややこしい)
外国人用のレストランは、1プレートで10CUC前後するので、食費をかなり安く押さえることができます。
ただし、無理は禁物。時差や暑さで体調がすぐれないときは、お腹を壊すリスクを考えて、外国人用のレストランで食べてもいいと思います。
レストランならお腹を壊さないという保証はありませんが・・・。
4.CUCタクシーは基本ボッタくってくる
ぼったくりの「ぼった」ってなんや?
それはさておき、キューバでドアtoドアで行き先まで連れて行ってくれるのは、CUC払いのタクシーのみです。ツアー旅行でない限り、このタクシーを利用する機会が多いはず。
料金の相場を知らないとぼったくられ放題になるので、予防策をお伝えします。
- 宿の人(キューバ人や長期滞在者)に、目的地までの相場がいくらか聞く
- タクシーを停めて、乗る前に行き先を告げ、値段を聞く
- 相場より高すぎたら(2倍以上もザラ)、値下げ交渉するか次のタクシーを待つ
経験上、2倍以上の金額を言ってきた運ちゃんが、交渉の結果半額にすることはまずないので、見送ってほかのタクシーを停めます。
すべての運ちゃんがぼったくるかと言うと、そうでもないんです。
最初から適正価格で乗せてくれる人もいます。
ただし、深夜は深夜料金が上乗せされるのが普通です。
安全を考えても、無理な値下げ交渉や、夜道で何度もタクシーを見送ることは避けましょう。
値下げできたとしても、数百円の差です。安全と引き換えにする価値があるかどうか、状況によって判断してくださいね。
地元の交通機関の乗り方
ハバナの人がふだん利用しているのが、マキナと呼ばれる乗り合いタクシーと、大型バスのグァグァ。初めての旅行者にはなかなか難易度が高いですが、乗って乗れないこたあないです。
乗り合いタクシー(マキナ)の特徴
- 決まったルートをまわっている
- 停めたらまず「行き先の道の名前」を告げる
- その道を通る場合は乗せてくれる
- 短距離10MN、長距離15~20MNとめちゃ安い
- 降りるときにお金を渡せばOK
マキナは通常、あの有名な古いアメリカ車です。初めて乗ったときは、興奮と、それ以上に「ちゃんと目的地で降りれるやろか」という不安でテンション上がりました。
乗る前に、地図で目的地近くの道を確認しておくか、宿の人に「マキナに乗って○○に行きたいんだけど、なんて言えばいい?」と確認しましょう。
降りたい場所に着いても教えてくれない運ちゃんもいるので、「着いたら教えて」と一声かけておくと安心。
ちなみに、ハバナの道の表示は、まったくないか、あってもこんな感じです。
グアグア(大型バス)の特徴
- めっちゃめっちゃ混んでることが多い
- 時刻表、路線図、バス停の表示はない
- 人が集まってる道端、そこがバス停
- なのにそこに停まらないバスも多い
- その場合は、走り去ったバスをみんなで必死に追いかける
- まるで運動会
- 運賃は40センターボ(1MNの約3分の1)とタダ同然
- 払わないで乗ってる人も絶対いる
- 目的地に着いても停まらないことがあるので、その場合「降ろせ!」と叫ぶ
ツッコミどころが多すぎて、インスタのタグのように書き連ねてしまいました。
グァグァは、急いでいるときにはまったくおすすめできませんが、アミューズメントとして楽しめます。
決まったルートに何度も乗って、乗り方を覚えるといいでしょう。
ぎゅうぎゅう詰めのことが多いので、スリと痴漢に気をつけて。
降りる場所を周りの乗客に告げておけば、親切な人がめっちゃ教えてくれます。
もしくは、運転席の近くに立って「着いたら教えて」と運ちゃんに言ってください。
5.インターネットはWi-fiカードを買おう
この数年で、ハバナのインターネット事情は飛躍的に進歩しました。
街のそこかしこにある、ETECSAのショップまたはBOXで、1時間もしくは5時間使えるwi-fiカードを買えば、公園や海岸通りなどのwi-fiスポットで、高速インターネットが利用できます。
料金は、店によって1時間1CUC~2CUC。パスポートのコピーが必要です。
私はいつも、ライブハウス「パラシオ・デ・ラ・ルンバ」向かいの公園角にあるところで買ってました。(1時間1CUCで販売していたので)
5時間のカードは、ない場合が多々あります。
wi-fiスポットは、大通りの23通りでどこでもつながるほか、海岸通りのマレコンや公園など。キューバ人も外国人も固まってスマホを触っているので、すぐにわかります。
日によって全然つながらないときがあるので、仕事をするには向きません、すみません・・・。(と、各方面にアピール)
6.ジャズバーやサルサクラブの相場
せっかくキューバに来たんだから、有名なラテンジャズやサルサ音楽のコンサートに行きたい!
見たい、聞きたい、踊りたい! そんなあなたのために、ハバナの夜の蝶ことヒトミが、相場をお伝えします。(やかましい)
どこも、外国人が安心して楽しめる場所ばかりです。ぜひ行ってみてください。
1.ラ・ソラ・イ・エル・クエルボ La Zorra y El Cuervo(ジャズ)
キューバの著名なジャズバンドが日替わりで聞ける、おすすめのライブハウス。
入場料は10CUC~、超人気バンドだと15CUCすることも。
入場料にはカクテル2杯分が含まれており、23時~2時頃まで、たっぷり2ステージ楽しめるのでおトクです。
日本のブルーノートでは1ステージ8,000円とかのミュージシャンが、1,000円で聞けるんですから、行かない手はありません。
終演後は、出口で待ち構えている観光客タクシーで、宿まで一気に帰りましょう。
2.ジャズ・カフェ JAZZ CAFE(ジャズ)
有名なホテル、メリア・コイーバの向かいのショッピングセンター上にあります。
こちらも、出演者によって1ステージ10CUC~20CUCほど。
ただし、先ほどのLa Zorraと違って、1ステージのみです。カクテルが2杯飲めるのはこちらも同じ。
また、レストランとして食事も充実しているので、ゆっくりごはんを食べながら音楽を楽しむことができます。
3.カサ・デ・ラ・ムシカ Casa de La Musica(サルサ音楽)
キューバ全国にあるカサ・デ・ラ・ムシカ。ハバナには3つあります。
1.旧市街の「カサ・デ・ラ・ムシカ ラ・バーナ(またはガリアーノ)」
2.新市街の「ミラマール」
3.革命広場近くに最近できた、「プラサ」
2018年3月に私が行ったときは、ガリアーノのメインホールは改装中で閉まっていました。
いずれも、日替わりで有名なバンドがノリノリのライブをくりひろげています。
値段は、10CUC~25CUCくらい。
2部制で、マチネが19時開始、ノーチェは開始時間が0:30~1:00くらい。
ノーチェの帰りは深夜になるので、ライブが終わったら長居せず、外で待ち受けている観光客用タクシーに乗って宿に直行するのが無難です。
中のドリンクは別料金ですが、頼まなくても大丈夫。頼んでも高くはありません。ビデオカメラの持ち込みは禁止で、大きいバッグは入口で預ける必要があります。
ちなみに、カサ・デ・ラ・ムシカにはキューバ人値段(少し安い)があり、人気のライブはキューバ人もたくさん来ます。
そのため、女子はキューバの男性に「踊らない?」と誘われますし、男子はヒネテーラと呼ばれる売春婦のみなさんに声をかけられるかもしれません。
女子のみなさん、無料でサルサを教えてもらえるので、ラッキーではありますが、そのあと「酒をおごってくれ」とか、甘い言葉を囁かれたら要注意。
キューバには、ヒネテーロと呼ばれる、色じかけで外国人女性からお金をもらおうとする、ヒモのみなさんも多いんです。
(もう大人だから自己責任だけど、キューバは性教育がしっかりしてる国だから、コンドームをつけないような男はロクなもんじゃありませんよ! って友達が言ってた、友達が。。)
まとめ
いかがでしたでしょうか!!!(渾身の定型文)
キューバは昔に比べて、旅行者も多いですし、いろんな情報をネットで得ることができます。
初めての旅行には、こちらのサイト、キューバ旅行情報館がおすすめ。
私もいずれ、キューバ情報を集めたミニサイトを作りたいんですが、いつになるやらわからないので、取り急ぎブログに書きました。
ミニサイトが完成したあかつきにはTwitterで告知しますので、よかったらフォローお願いします。→ @hitomicubana
コメントいただければ、キューバについての質問もわかる範囲でお答えしますよ!
その他、キューバに関するブログいろいろ書いてます~。よかったらこちらもぜひ!
キューバでモテてモテて仕方なかった記事↓
真面目な記事↓
真面目な記事その2↓
キューバで見聞きした話を元に(あくまで見聞きした話を元に)書いた恋愛小説。(アダルト色あり)夜長にどうぞ。↓
オマケ
旧市街、オビスポ通り近くにある日本食堂のカツカリー、おいしかったです!!