先日、京都オフ会で高収入ハムスター、とっとこランサーさんに聞かれた。
「ヒトミさん、収入どれぐらい行きそうなんですか?」
とっとこさんといえば、副業でライターを始めたころからきっちり目標を立て、順調に収入を伸ばされた方。今月の月収は80万予定だとか。
そんなとっとこさんに聞かれて一瞬「ウグェッ…」と思ったものの、堂々と答えた。
「ん~~、そんなにガツガツがんばりたくないんですよねぇ~~」
一瞬、とっとこさんの鋭い前歯に噛み殺されるかと思ったが、
「あ~、ですよね~。働きたくないですよね~~…」
という、答えが返って安心しかけ……てる場合じゃない。
とっとこさん、月収80万。私の月収、やっと10万超え。
これは本来、並んでお茶してるレベルじゃないでしょ。とっとこさんに、フレンチのフルコースをおごってもらっても構わないレベルでしょ?
私も最初は、とっとこさんのブログを読み、「ある程度稼げるようになるまで、走り続けよう…!」と決心していたにも関わらず。
月収10万超えたあたりから、私の気持ちは別方向に動き始めた。
いったい、な~ぜ~。
がんばると早めに力尽きる性格
思い立ったらすぐ行動してしまう。考えるより先に体が動いているので、「やりたいこと」を探した記憶があんまりない。
仕事でもなんでも、新しい分野にはかなりのハイテンションで挑む。
いろんな情報を集めて、質問して、実行して。ハマると24時間そのことを考え続けるので、覚えるのも早い。
そんな感じなので仕事の研修ではだいたい、同期の中で一番できるタイプ。上司の覚えもめでたく、期待のニューカマー。
しかしその後、だいたい1か月で飽きる。
ハマって、飽きて、辞めては落ち込むの無限ループ
20代のころは、自分のエネルギー燃焼ペースがわからなかった。
昨日まであんなにやる気だったのに、朝起きたらもう行きたくないのだ。
雨が降ってることに気づいた瞬間、何もかも嫌になるのだ。
自分でもなんでそんなことになるのか、よくわからなかった。
友達に「あの仕事、辞めた」と言うたびに
「え~、最初めっちゃおもろい仕事ってゆってたやん!」
と驚かれた。なんだか、自分がすごく社会不適合者のような気になった。
私なんて、何やっても最初だけで全然続かないし、口ばっかりだし、もういやです……(三角座り)
そんなことのくり返し。
自分との付き合い方がずっとヘタクソだった
そんな私でも、周囲の人に恵まれると、仕事には飽きても何とかがんばれた。
20代後半で、一応、人を指導する立場に回ったりもした。今度は誰かが「辞めたい」と言ったときに、止める立場。
見ていると、適当に休みながら続けている子より、全力でがんばった結果、体や精神が追いつかずに辞めていく子が多かった。
かくいう私も、仕事中は100%を目指し、インフルで39度熱が出てるのに気づかなかったり、膀胱炎で1か月熱が出続けてるのに風邪だと思ってそのまま過ごしたりなど、「休みたい自分」を常に無視していた。
なまけちゃダメ、絶対。本当は休みたがりのサボりたがりなんだから、できる限り走り続けないと。止まったら、きっとまた何もかも嫌になっちゃう。
他人には簡単に、
「休みなよ」
「がんばりすぎだよ」
「そこまでしなくていいよ」
って言えるのに。
自分で自分を追い立てる毎日は、今から思うととてもしんどかった。
走らなくても、前には進める
ライターを始めたときも、最初は走った。
やっぱり、一番走りがいがあるのは最初だと思う。知識もぐんぐん吸収するし、やればやるだけ技術も伸びる。
「とりあえず生活のために10万は稼がないと」
ささやかな目標のために走り、そして達成した。だから今はとっても満足。
フリーライターの人たちが、もっと稼いでいることは知っている。
もっと詰め込んで書けば月収20万はいけるだろう。
でも、やりたくない。だって飽きたくないから。
ライターの仕事は面白いし、もっと勉強したい。でもやみくもに仕事を詰め込みすぎて、スカスカにはなりたくない。
実際に、朝から晩まで毎日書き続けていた月よりも、日曜の半日だけ休んでいる今のほうが調子はいい。
ゆくゆくはもっと稼いで、もっと休みたいと思っている。
とりあえず今走れるだけ走って、さっさと収入を上げてしまう、という方法もある。でも私は、焦らない。
誰との勝負でもなく、自分の「飽き性」に勝つために。
なにごとも続けなければ先には進めない。
そして長く続けるためには、ユルくてもやる気と向上心を保ち続けることが、必要だと思うから。
20代の自分がこのことに気づいてたら、今ごろ果たせていたことがたくさんあったろうなあ。まあ、仕方がない。それも含めて、全部自分の人生だ。