シルエットでわかる私と夫の等身の差。
2ショット写真撮るときは私が常に後ろに下がります。
そう、これこそが「シルエット・ロマンス」(言いたいだけ)
日本で会社員始めてから夫の目が死んだ
夢と希望を持って日本にやってきて、初めての就職活動。
半年面接に落ち続け、やっとつかんだ正社員の座。
夫はプログラマーなので、もちろん残業当たり前。残業代は出ない。
それでも泊まりや休日出勤はないので、噂に聞くIT業界の怖い話よりはマシかな、と感じている。
そんな夫、会社で働き出してから笑顔が消えた。
目の下のクマも常駐。
ほとんどが日本人の会社で毎日意味のない会議、義理の飲み会、お昼休み返上での仕事…。
夫婦の会話も減り、不満を持とうにも心配が先に立って最近はケンカにすらならなかった。
とにかく早く正月になって休んでほしかった。
仕事納めに夫婦で語らう。
夫は仕事に支障をきたさないよう、休み前しかお酒を飲まない。
なので毎週金曜日はひとりで飲みに出かけて深夜帰宅することが多い。
12月30日、仕事納めの夜もひとりで飲みに出かけた夫。
その日は私も仕事納め。
私もひとりで飲みに行こうと思ったが、夫も同じ梅田にいるとのこと。
「せっかくだから一緒に飲む?」と居場所を連絡。
夫が来るまでひとりで熱燗を飲み、お魚を食べる。至福。
1時間待ったころ、やっと夫が到着。
酔うと夫の愚痴デトックスが始まる。
夫は酔うと日頃我慢している生活の不満を語りだす。
最初は私が一方的に責められてるような気がして、よくケンカになった。
しかしあるポイントに気づいてからは冷静に話が聞けるようになった。
1 夫は怒っているのではなく、ただ気持ちを理解してほしいから話している
2 それは結婚当初に約束した「嘘をつかず、思っていることを言い合う」というルールに即している
3 話し終わると彼は私の話もちゃんと聞いてくれるが、途中でさえぎると聞かない
4 「酔って話す」ことにはデトックス効果があり、翌日必ずスッキリしている
5 家で話し合うとケンカになりやすい
特に5は重要で、今まで大事な話を家で始めるとだいたい私がヒートアップして喧嘩になっていた。
なので重要な話や感情的になりそうな話は外ですることにしている。
人目があると冷静になりやすい。
ここで便利なのが「日本語じゃなくスペイン語で話す」ということ。
混んだ電車の中でも居酒屋の中でも、まわりの人にほぼ知られずにかなり込み入った話ができる。
正月休みでみるみる回復する夫
12月31日は「君の名は。」を見に行った。
日本の伝統と景色が美しい映画だった。
夫は飛騨の景色より、大好きな東京の風景に感動していたようだ。
去年2人で帰国する際、東京に住みたがった彼を説得して大阪に連れて来たのは私だ。
今は大阪も気に入って住んでくれているが、東京は彼にとって「憧れの日本」の象徴であるらしい。
でも、それで良かったのかも。
もし東京に住んでいたら、今頃彼は東京で死んだ目で働いていただろう。
憧れの東京生活が現実になり、彼にとって行きたい場所がなくなってしまう。
私にとってそれはキューバだ。いつもそこへ行くことを考えて、幸せな気分になってまた現実をがんばる。
憧れの東京は、いつでも行ける距離でファンタジーを保っているぐらいがちょうどいい。
夜は天満宮近くでカウントダウンし、元日は私が見たかった「この世界の片隅に」鑑賞。
現実がベースになっているので「君の名は。」より見たあとの印象は重い。
厳しい現実の中でもユーモアを忘れず、日々生きている人の力強さを感じる作品だった。
夜は家ですき焼きを食べ、「お正月だから」とお酒を買ってふたりで乾杯。
今夜のお酒は、夫にとってデトックスの必要はなく。
久しぶりに楽しく飲んでる姿を見た。
最後はご機嫌で「PPAP」の替え歌を歌ったあと即寝ていた。
寝ながらずっとむにゃむにゃ寝言を話し続けていた夫に萌え。
(何を話してるのかしら…)と耳を澄ませてる間に寝落ちしてしまった。
毎日がお正月だったらいいのにー。
2日と3日はすっかりリラックスモード。
夫は「明日からまた仕事だ~」と言いながらもずっとご機嫌で
「♪ヒトチャ~ス、ぼくのヒトチャ~ス♪」と歌っている。
※ヒトチャスとは(ヒトバンク):夫しか呼ばない私の愛称。
私が真剣にTwitter見てる時にしつこく話しかけてくるので、ずっと無視してたら、
「愛してるのに~~!!」
と突然叫んで号泣(の真似)。
この、「〇〇のに~~!!」て叫ぶの、最近どこかで覚えたらしく、夫の中でだけ流行ってる。
なんなんだ。
今後もいろいろ話せる関係であるために
夫は最近、直属の上司(外国人)に嫌がらせを受けていた。
自分がした苦労を夫が楽々超えていると思い、気に入らなかったらしい。
締切がある仕事に必要な資料を夫に渡さなかったり、そういう地味なことをされていた。
その上司は年内いっぱいで退職が決まっていたので、嫌がらせのやり逃げだ。
夫は嫌なことがあるとすぐ話してくれる。
おもしろいことも、変なことも、なんでも。
「仕事で嫌がらせされた」って、人によってはカッコ悪くて、または我慢強すぎて話せなかったりするんじゃないだろうか。
特に男性は感情表現が苦手な人も多いだろう。
だから夫がなんでも話してくれて感謝している。
想像力が足りず被害妄想が大きい私は、夫が落ち込んだ顔で家で黙っていると
(私、何かしたのかな…)とどんどんネガティブな方に考えてしまうからだ。
これからもなんでも話してもらえる環境を作るには、どんな話題でも私が冷静に聞く体勢をキープしている必要がある。
自分のことでいっぱいいっぱいにならず、キャパオーバーなことはしない。
常に夫のぶんのキャパを空けておくために。
そうすればこんなに萌え萌えキュンな休日が過ごせるのだと思ったら、また明日からがんばれそうである。
今年の夫婦の目標は「ケンカしないこと」。
夫には
「ヒトチャスがすぐ怒るから無理。」
と言われ、毎日わざと怒らせるようないたずらを仕掛けられている。
ま、負けない。